発達障害の息子が「学校や塾へ行かなきゃいけないことはわかっているけれど、行動が移せない、なんだかもやもやする。」と言っている時期がありました。
小学校6年生で不登校、中学受験のための塾を休会したり、親子関係が悪化していた時でした。
子供自身、自分がなんで学校に行けないのか、どういう気持ちでいるのか、言葉で表現することができずにいました。
そこで、何とか今の状況を改善したい、前に進みたい気持ちが強かった私自身は必死にもがいていました。
そして、息子との会話からでてきた言葉「もやもやする」という数少ないキーワードを考えていたのですが・・・。
発達障害の特性をまだこの時はよくわかっていなかった私には、
えっ?「もやもやする」って何?
それが苦しい原因?
謎でした。誰に聞いてもわからないよなぁ・・・。
少しでも何かヒントがほしかった私は、ある、発達障害専門のカウンセラーの方を探して、相談し、
「もしかしたら、視機能に問題があるかも?検査をしてみては?」
という話を聞きました。
今の状況を変えたかった私は、やっと次のステップに動くヒントになればいいなと「視覚認知機能の検査」について調べることに。
視力検査ではわからない視覚認知機能の検査
視覚認知機能の検査って何?
私にとって、
「視覚認知機能の検査って何がわかるの?視力と違うの?」
と初めて聞く言葉でした。
息子の「もやもやする」というヒントから、少しでも何かわかることがあれば、対応できればという想いでいっぱいでした。
簡単に言うと、
視機能は視力とは別で、眼から入った情報を脳で処理して体に伝えて動かす一連の働き
のこと。
例えば、
- 斜めの線が見えにくい
- 空間の認知が弱い
- 鏡文字を書く
- 板書が苦手
- 音読で行の読み飛ばし
などが子供に見られる場合、1つ考えられる原因として視機能に問題があるかもしれない・・・ということです。
視機能に問題がある場合、なかなか周囲が気がつかず、子供自身が苦しんでいるということを知りました。モノの見え方が正常に見えていない、体に伝達されにくい、何が正常かわからない子供にとって伝えることもできない・・・
検査によって、もし異常があれば、視機能訓練、視機能トレーニング、ビジョントレーニングなど、見ることと手を動かすことを連動させていくことで改善させていきます。
視覚認知機能の検査をすることに
息子の場合、視機能に問題があるのかな・・・
あっ、でも思い当たることがいくつかあるかも!
・板書をあまりしない
(本人は聞くことと書くことを同時にすることが苦手。頭に全部インプット)
・漢字はパズルのように覚えていて、書き順を無視
・漢字のバランスが部首とそれ以外の高さが異なったり、バランスが悪い
というところでしょうか・・・。
あとは、原因不明の「もやもや」。
そのもやもやが、視機能からくるものなのか、どうなのか・・・。
そこで、病院を調べました。もし、トレーニングをするならば、通うことになるだろうし、なるべく近くがいいけれど・・・
しかし・・・
視覚認知発達検査は普通の眼科とは違い、専門機関での検査となるため、日本では数が少ないのが実状です。
近くではないけれど、たまたま車で行くことができる範囲に、有名な「かわばた眼科」がありました。
普通の眼科でもあり、視覚認知機能の検査もあります。発達障害、学習障害で視覚認知機能の問題があれば、視覚発達支援センターでトレーニングを行います。
こちらに詳細
かわばた眼科のHP→ 浦安で眼科をお探しなら|かわばた眼科~新浦安駅徒歩5分 (kawabataganka.com)
かわばた眼科・視覚発達支援センターで検査をした結果
予約がなかなか取れず
電話で予約をしたのが6月。
かわばた眼科ではなく、直接、視覚発達支援センターの方へ予約をしました。
電話をかけるのも、予約をとるのも大変
ずっと電話がつながらず、時間をおいてかけなおしたところ、受付終了・・・。
受付時間が月・水・金の午前10:00~午後13:30なので、タイミングが難しいですね。
詳細・最新情報は、HPでご確認ください。
視覚発達支援センターのHP → 視覚発達支援センター (ikushisya.com)
問診日が1日と検査日が1日ということで、早くても8月に問診、9月に検査となりました。
予約後、予約金として5,000円を銀行に振り込みました。
問診と検査の様子と料金について
我が家が検査をしていただいたところは、眼科と視覚発達支援センターが連携をとっていて、建物が隣同士でした。
千葉県の京葉線新浦安駅から徒歩で近くです。
かわばた眼科はビルの中で、その裏にある一軒家のおうちが視覚発達支援センターとなっていました。
問診日には、視覚発達支援センターで子供だけ別室で眼の動きや体のバランスを見て、次に親がどのようなことに困っているのか、30分くらい話をしました。
その日は料金が発生せず、データ(中身を見ることができません)を持って隣のかわばた眼科で一般の患者さんたちと一緒に検査の順番待ちをして、眼科の先生の診察で終了。
夏休み中だったからか、かわばた眼科が混んでいて、すごく時間がかかりました。
へとへと~、ぐったりです。
2回目の検査日は、視覚発達支援センターで息子だけ1時間くらい検査をして、その後、親が30分くらい検査結果の説明を受けました。
また隣の眼科で診察を受けてから帰宅し、詳しい検査結果は1か月後に郵送という流れです。
どんな検査だったのか?
実際に、息子がどんな検査を受けたのか、検査結果の説明の時に詳しく平均データと照らし合わせながら教えてくれました。
【眼球運動】
いくつかの動きを眼で追う、読書に必要な処理速度、書き写し検査などの眼球運動
【左右認識】
空間の左右認識
【身体バランス】
右手と右足、右手と左足を同時に動かす
【視覚認知スキル】
図形や記憶の問題
実際に、体を動かす検査、プリントを使っての検査、読み書きなどの検査を1対1で行っていました。
結果としては、どれも同年齢の平均から平均以上域に入り、特に大きな問題はないということでしたが、視力については不良、矯正が必要とわかりました。
1つ1つ検査をして知っていく
結果的に、視機能には問題がなかったため、「もやもや」については、これが原因!ということがわかりませんでしたが、1つ1つ知っていくことで対応も変わってきます。
行き帰りはまだ近い方だけれど、1回の検査と眼科で半日くらい時間がかかってしまうし、料金がめちゃくちゃ高い~。
対応できる病院が少ないからなんですよね。
息子の場合は、視機能の問題ではなかったけれども、やはり不登校、塾へ行くのにも車から降りられないなど、色々と問題があったので、普段から通っている病院があるのであれば、
知能検査のWISC(ウィスク)を受けてみると何かわかるかもしれない
というアドバイスをいただきました。
後日談
後日、普段、薬(コンサータ)をもらっている病院の先生に話をし、知能検査をしてみようかとなりました。
見るための機能は視力だけでなく、見たものを脳で判断し、体へ指令をだす段階で何かうまくつながらないことがあります。
「見えにくさ」「見えづらさ」を感じている子供は、自分の言葉で表現することが難しいため、苦しみます。
普段の様子を見て、読み書き、運動、手先の作業が苦手だなと思うところがあれば、周囲が気づいてあげられると良いのですが、大人でも知らない人の方が多いかも・・・。
発達が気になるなと思うところがあれば、自宅でも遊び感覚で毎日少しずつトレーニングができる本もあります。
気になることは1つ1つ納得していくことで、次へ進む方向も見えたり、行動に移すことができます。
検査に時間がかかることも多いので、子供に話をし、時間があるうちに検査をしておいてよかったと思っています。
中学生の反抗期だったら、検査に行っていなかったかもなぁ。