日本の歴史を旧石器時代から現代まで学んでみると、たくさんの歴史上人物を知ることになります。
流れだけ勉強をしていると、誰と誰がどこで戦って・・・、誰が将軍になって・・・、誰が改革を起こして・・・、なぜそのような行動をとったのだろう?出来事と人物名が山ほどでてきますよね。
1人1人に焦点をあてていると、半端じゃない量になりますが、みんな個性豊か?変わり者?かっこいい?実は普通の人だった?
歴史上に出てくる人たちだけに、考え方や性格、どのような人生を歩んできたか、知ったうえで歴史を勉強すると、また見方も変わるかも!
これからの子供たちは、日本の歴史だけでなく、世界のことも早くから知識が必要になってきています。
日本だけでなく、世界で活躍した人物も知れば知るほど世界観も広がり、人物から歴史を知るのも面白いかなと思います。
そこで、小学館、角川、集英社、学研、ポプラ社の人物・伝記シリーズを比較してみました。
※全巻調べたわけではなく、私が調べた数冊の内容を元にしていますので、参考程度にお願いします。
【小学館】学習まんが人物館
ハードカバーでシリーズになっている小学館の学習まんが人物館。
昔からのロングセラーで、旧版などは小学校の図書館にもありました。
世界や日本で活躍した人物が描かれ、
ウルトラマンをつくった映画監督の「円谷英二」、
古代エジプト最後の女王「クレオパトラ」、
エベレストから極点までかけぬけた冒険家「植村直己」、
コンピュータとiPhoneで世界を変えた天才起業家「スティーブ・ジョブズ」
など、幅広い人たちがテーマとなっています。
50巻以上も発売されているので、考え方や性格など1人1人の人生を知るのも面白いかもしれません。
小学館の中身や構成はどんな感じ?
本屋さんに並んでいると、カバーのタイトル部分の上がゴールドで目を引くシリーズです。
イラストはそれぞれ描いている人が異なるため、雰囲気が全然違います。
中身を見てみると、ハードカバーの表紙裏には本の人物に関連するおもな場所やできごとの地図が書かれたマップがあります。
白黒印刷がベースですが、所々にカラー印刷のページがあり、読み飽きないようなインパクトを出しているのかなと感じます。
ストーリーとしては、150ページくらいあり、普通の学習まんがですね。
1人の人物の幼少期から活躍までの苦労、人との関わりや出会い、人生の最期までをどう生きたか、とてもわかりやすくまとまっているので、興味ある人物から読み始めて広がっていくといいですね。
ポケモンをつくった男として、田尻智さんの本は人気ありです!うん。興味ある!
左開きで漫画のセリフが横書きの人物館があった!
日本の歴史まんがは、ほとんどが右開きです。
表紙を上にして机に置いた時、背表紙が右側にきて、右にページをめくっていきますよね。
それは、学校のノートや教科書のつくり、横書きの算数などは左開き、縦書きの国語などは右開きと同じで、基本的に学習漫画が縦書きだからだと思います。
が・・・世界の歴史まんがを調べている時に、【小学館】学習まんが人物館の中でも、スティーブ・ジョブズの巻が、左開きになっていることを発見!
わぉ~!ネット購入だと気が付かない~!
中身も、セリフが横書きになっていました。
人物が外国人だと左開きなのかな?と思って、本屋さんに並んでいた他の外国人がテーマの人物館を見てみると、意外にも右開き。
あれっ?なんでスティーブ・ジョブズだけなんでしょう?
最近だからでしょうか・・・。
今は小学生の子供に注目されている世界の歴史漫画ですが、「学研まんが NEW世界の歴史」も、セリフが横書きのためか、左開きになっていました。
こんな感じ・・・
まぁ、ちょっとしたことですが、学習漫画の中には左開きでセリフが横書きなものもあるよということを知りました。
【角川】角川まんが学習シリーズ まんが人物伝
創刊した時に出版された人物伝が、織田信長、徳川家康、真田幸村の3冊でした。
真田丸ブームで戦国武将が注目されたからでしょうか。
コミック本サイズなので、他社のハードカバーに比べると大きさが小さいのですが、
イラストの表紙がインパクト大!
本ごとに、カバー・表紙の担当者やまんが作画の方が異なるので、イラストの雰囲気もガラリと変わり、新鮮味がありますね。
角川の中身や構成はどんな感じ?
本のサイズはコミック本と同じで、ソフトカバーなので持ち運びがしやすい大きさです。
表紙をあけると、登場人物たちの相関図、3ページの写真館、最初はカラーでその後、白黒の漫画が一気に描かれています。
終りの方には、人物資料館、なんでも大図解、新聞風の作りでエピソード、セリフベストランキング、年表など、少ないページながらも、結構盛りだくさんの企画が組み込まれているので、幅広い知識になりそう。
歴史新聞づくり、自主学習、家庭学習にも使えるネタになりますね。
最後の背表紙裏には、そのテーマである人物の「ゆかりの地マップ」が見開きであります。
漫画部分のページ数としてはだいたい150ページ前後でしょうか。
高学年になれば、普通のコミック漫画のようなイラストや文字、今どきのイラストなので、読む力はあると思います。
お子様の年齢などにもよりますが、抵抗があったり、難しいようであれば小学館、集英社、学研などのハードカバータイプのイラストが大きいものから入るとよいかもしれません。
内容はしっかり学習まんがなので、用語が難しい部分もありますが、子供が興味を持てばどんどん読み進めちゃいそうです。
スヌーピーの生みの親・・・知らなかったので、興味あるなぁ。
【集英社】学習まんが世界の伝記NEXT
集英社の学習まんがシリーズもたくさんあります。昔から人物に焦点をあてた伝記シリーズがロングセラーですが、イラストがどうにも昔風なんですよね。(よく小学校の図書室にある学習漫画です。)
そこで、2010年以降、イラストが一新され、イマドキの絵柄になってから今現在は、「学習まんが世界の伝記NEXT」として、かわいい絵柄の表紙に変わってきています。
「世界の伝記」といっても、活躍した日本人もあわせての出版となっているので、幅広い人物が出版されています。
集英社の中身や構成はどんな感じ?
ハードカバーで一般的な学習まんがの大きさです。
ヘレンケラーを元に見ていますが、表紙裏には、関係地図や人物相関図があります。
最初と所々にカラーページがあり、基本的に白黒のイラスト。
絵のタッチ(線)が細く、イラストが他社より大きい印象があります。
漫画部分が115ページなので、他社よりちょっと少ないですね。
こちらの表紙の絵柄の方が増えていますね。
どちらにしても、人物のイラストが大きく変わっているので、子供も抵抗なく読んでくれるといいなと思います。
【学研】学研まんがNEW日本の伝記・世界の伝記
学研まんがNEW日本・世界の伝記シリーズの他社との違いは、インパクトがある大きなイラスト!
ハードカバーの定番歴史まんがと同じ大きさですが、何と言っても、文字も大きく、字数が少ない!
全部が全部字が大きいわけではありませんが、他社と比べると全体的に漫画部分の文字は大きめですね。
だから、低学年でも読みやすいというところが特徴でしょうか。
学研の中身や構成はどんな感じ?
織田信長の場合ですが、ハードカバーの表紙裏と背表紙裏の2か所には「写真で見る織田信長」とあり、実際に資料が掲載されています。
学研まんがの作りなのか、日本の歴史の定番セットと同じように、用語の追加説明や豆知識などが余白に縦書きで書いてある文字が小さすぎで、子供はスルーする子が多いのでは??というくらい、私は視界に入りません・・・。
漫画は130ページくらいあり、後半部分は「まんがの内容がもっとよくわかる織田信長とその時代」という15ページにわたって、年表、関連マップ、かかわる人々の資料があります。
オールカラーと言っても、優しい色合いなので、引き込まれやすく、見開きページの迫力あるイラストもあり、一気に読めてしまう量だと思います。
【ポプラ社】コミック版世界の伝記
世界や日本で活躍した人物の伝記が漫画から学べる、一般的なハードカバーの学習まんがです。
基本的には、集英社の学習まんが世界の伝記NEXTとパターンが同じですが、この本の特徴としては、字が大きいことでしょうか。
本屋さんでもよく見かけるシリーズなので、お子様と中身をみてみるのもよいかもしれません。
このゴージャス感があり、地球マークが目立つ背表紙の学習漫画を見たことありませんか?
ポプラ社(世界の伝記)の中身や構成はどんな感じ?
ヘレンケラーを元に内容を見てみました。
構成としては、表紙裏にヘレンケラーに関係した地域マップがあり、漫画は最初の方にカラーページ、後は白黒がメインです。
ページ数としては100ページくらいで一番ページ数としては少ないですね。
漫画部分のイラストは、すっきりとしていて大きめなので圧迫感もなく、低学年からでもスラスラ読みやすいと思います。
一番大きくて、私としては読みやすい字体かなと思いました。(個人の感想というか、私の勝手な好みです・・・
他社とフォントを比較したので参考に!
具体的に他社とどう違うのか比較してみました!
私の勝手な見解
ポプラ社は今どきの字体で低学年でも読みやすそう。
小学館は、ちょっと太字で昔風の字体?
角川はコンパクトサイズの本のため、字体も小さめ。
集英社は細字や字の大きさを変えてインパクト感の使い分けが特に多い。
ウォルトディズニーはみんな興味ありかな。人気があります。
あのディズニーの世界を作った人だし、私も興味あるなぁ。
【ポプラ社】コミック版日本の歴史
織田信長を1巻目として2007年から今現在まで、すでに60巻も発売し、コミック版日本の歴史シリーズが、累計二八〇万部を突破という大シリーズです。
続々刊行中で、戦国時代の人物が多いですが、その他の時代の人物もまんべんなく取り上げられています。
本屋さんで背表紙がずら~っと並んでいるのを見て、
イラストがかっこいいな~
と思っていた私。
ポイントは3つ!
人物の生涯からたどっていくことで、歴史が面白くなるという学習漫画。
一、人物伝である
一、真実の歴史をえがく
一、豊富なラインナップ
内容が気になるところですよね。
ポプラ社(日本の歴史)の中身や構成はどんな感じ?
織田信長の内容を見てみます。
ハードカバータイプ、白黒で、そんなにページ数は多くありません。
漫画部分は104ページ、織田信長をもっとよく知るための基礎知識に解説の文(あらすじみたい)、豆知識、年表で14ページくらいです。
ページ数が少ないため、ストーリーが駆け足気味で、ポンポンと展開が早いのですが、所々の説明書きがわかりやすいなと感じました。
戦国時代なので、登場人物や戦いに関する地名も多いため、ちょっと複雑ではありますが、ある程度人物や出来事が絞られているので、何度か読むと理解できる1冊ではないかなと思います。
オフィシャルサイトでは、主な対象年齢が小3、小4となっています。
他社に比べてページ数が少なく、読み切れる量だからといって、内容がものすごく浅いわけではないので、高学年でも中学受験生でも興味があれば、多くの人物を知ることも大事ですので、お子様にあわせて活用するといいですね。
【西東社】超ビジュアル!歴史人物伝
歴史上の人物の画像を見ると・・・その時代のモテた顔がどんな感じだったかわかりませんが、イケメンはいたのかな・・・。
ビジュアルもかっこよく!ということで、最近大人気シリーズの1つとなっているのが「超ビジュアル!」系。
やっぱり歴史上で活躍した人物がかっこいいと、インパクトもありますし、特に戦国時代はドラマでもよくあるので、頭に焼き付きますよね。
実際の肖像画などから離れて、超ビジュアルの世界に入ってみるのも面白いですよ。
実際、ビジュアルばかりに力が入っている?
内容はどうなってるの?
と、気になる・・・。
ポプラ社(日本の歴史)の中身や構成はどんな感じ?
大きさとしてはハードカバーの歴史まんがや伝記に比べてやや小さめで、ソフトカバーです。
「織田信長」の場合、ページ数が239ページあり、多い方ですが、ソフトカバーなので扱いやすいです。
迫力がある理由は、人物のかっこよさのビジュアルだけでなく、漫画も解説もオールカラー!
漫画部分は手描きなのですが、解説部分は、イラスト、写真、CG画像を上手く組み合わせて、凝っています。
漫画要素が強いとは言えない作りですが、構成としては4章の大きなくくりの中に、漫画と解説が繰り返されています。
マンガは2~10ページで、これはCGではなく、カラーのイラスト。
信長の時代なので、たくさんの戦いの画像が迫力があって、これまたかっこいいというか、インパクトがあり、子供も当時の凄さがわかりやすく、映画のワンシーンのようなイメージです。
実際の長篠の戦いの昔の絵図を使って、絵の中の織田信忠、徳川家康、豊臣秀吉、武田勝頼、馬防柵などが書きこまれているので、どのような配備で、織田側が鉄砲隊の守備をしていたかよくわかります。
部分的にふりがながないので、低学年でもかっこよさからイラストや読める部分だけ拾い読みするなど、興味があれば、ありかなと思います。
漫画ではありませんが、人物事典でも、どの人物もゴージャスなビジュ!です。
自由自在 歴史人物・できごと新事典:マンガ+おもしろい解説で楽しく学ぶ!
参考書で有名な「自由自在」のシリーズで、ちょっとゆるめだけど情報たっぷりの歴史人物事典がおすすめです。
子供の中学受験の勉強で歴史が始まり、親としてもちんぷんかんぷんなままで、
「こりゃまずい!」「少しでも面白みがあるものはないかな?」
この本の特徴
この本は事典なので、ものすごく字がびっしりで、読むことに抵抗がある人は「うっ・・・
でも、事典は1冊で多くの人物を知ることができるというすぐれもの!
飽きないような工夫がいっぱいあるので、読んでいて面白いのが特徴です。
歴史を学ぶ上で重要な670人とありますが、人物によっては半ページ~数ページ書かれています。
大事なところは赤色の太字になっています。
・全部で511ページ(索引も含む)もあり、分厚いですが、ソフトカバーで扱いやすい。
・「卑弥呼ってどんな人?」というように、話口調でやわらかい文体。
・「突撃インタビュー」で卑弥呼が答えているところがあり、身近に感じちゃいます(笑)
・「ためになる話」「なっとくの話」「しみじみする話」「びっくりする話」「やんちゃすぎる話」「目立ちすぎる話」「おどろきの話」「へぇ~な話」「勝手な話」「ダメな話」「分かれちゃった話」「感心な話」「なるほどの話」「ひどい話」・・・などなどエピソードがいっぱい
理科や社会の自由自在と比べると、かなりゆるい文体になっているので、まったくイメージが異なり、私も最初は
「えっ?あの自由自在シリーズなの?」
とびっくりしたくらいです。
なので、事典と言っても漫画と面白い解説で楽しく学べて、「あ~、そうだったんだ!」と簡単に多くの人物を知ることができる本ですね。
中学受験でも自主学習でも大活躍
小学校によっては、自主学習のような宿題があります。
自分でテーマを決めて調べてノートに書くという宿題。そんな時、自分が興味ある歴史人物をとりあげて、深くネタを書いてもいいですし、歴史新聞を作る時にも資料としてバッチリ!
中学受験で5年生後期、歴史に突入しましたが、ものすごい勢いでしかも深い内容を覚えなくてはいけない子供たち。
塾の授業で聞いてきていますが、一回で理解し、覚えられるわけもなく、家で復習した時に聞かれてもよくわかっていない親側。
この1冊があると、人物のつながりとできごとが結びついて、親も理解しながら子供と一緒におしゃべりしながら学べました。
例えば、テキストに
「聖徳太子は推古天皇の摂政」
ということは書かれていますが、実は「おばとおい」の関係だったなど、誰と誰が親子関係、兄弟関係、どことどこがつながっている、仲がよかった、悪かったというつながりが見えてくると、歴史もドラマがあったんだな~とわかるようになります。
あとは、小学生はウケがポイント!
ちょっとした漫画のやりとりに、ダジャレが結構あるんです。
基本的には真面目な内容で、私としては良いところばかり書きましたが、気になる部分もあります。
相当、人物関係が複雑でややこしい上に、同じ人物の名前が何度も変わってくると、本当にわけわからなくなりますよね。
大人としても、人物や時代の流れ、できごとを整理するのにも役立ちます。
ドラえもんの歴史人物伝
人物の登場が少ないのですが、やはりドラえもんは子供にとって身近なキャラ!
浜学園監修(中学受験で有名な塾)で、歴史人物を取り上げた漫画もあります。
戦国時代偏では、武田信玄、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の5人が登場。
ドラえもんとのび太くんがタイムマシンで行った先で戦国武将と出会い、戦いのなかに入り込んだり、やりとりをしながらドラえもんがその時代の状況を解説してくれています。
コミックマンガのように低学年が気楽に読もうとすると、ドラえもんも真面目に解説してくれている文章があるので、ちょっと堅苦しいと思うかも・・・。
学習漫画だからしょうがないっか。
漫画をメインにしてのび太くんがその時代に入り込んでいるので、笑いもあり、学習漫画として読みやすいかなと感じました。
幕末・維新偏では、吉田松陰、坂本龍馬、西郷隆盛、大久保利通、近藤勇、土方歳三、沖田総司が登場します。
廃藩置県(1871年)、学制発布(1872年)、徴兵令(1873年)、地租改正(1873年)と、それぞれドラえもんが説明してくれています。色々な歴史用語もしっかりと出てくるので、復習としてもいいですね。